国際民事・家事


international cases

国際離婚・ハーグ条約

 国際離婚においては,どの国の法律が適用になるのかという準拠法の問題や,どの国で手続きをすることができるのかという管轄の問題等が生じ,複雑な法律の規定が絡み合った問題が多々存在します。

 当事務所では,国際離婚問題に注力しており,国内ではまだ例の少ないハーグ条約案件も比較的多数取り扱っております.

※ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)について

 ハーグ条約とは,国境を越えた子どもの不法な連れ去りや留置をめぐる紛争に対応するための国際的な枠組みとして,子どもを元の居住国(常居所国)に返還するための手続や,国境を越えた親子の面会交流の実現のための締約国間の協力等について定めた条約です。

平成28年1月現在,93か国が締約国となっており,日本でも平成26年4月1日にハーグ条約が発効しましたので,同日以降の国境を超えた子どもの不法な連れ去りや留置をめぐる紛争については,同条約が適用になります。日本人と外国人の間の国際結婚,渉外離婚に伴う子どもの連れ去りや留置に限らず,日本人同士の場合も対象となります。家庭裁判所等における裁判手続の他に,裁判外紛争解決手続(ADR)機関を用いた手続が採られることもあります。また,常居所国で離婚等の手続きが並行して進んでいる場合も多くあり,常居所国の弁護士等と連携すべき場面も出てきます。

 ハーグ条約の効力により,国をまたいだお子さんの返還が命じられたり,国内での離婚手続が停止される場合があるなど,大きな影響がありますので,国際離婚の当事者の方は注意が必要です。当事務所では,複数の弁護士が第一東京弁護士会ハーグ条約に関する委員会に所属し,ハーグ条約の運用に関する事件を注力的に取り扱っておりますので,どうぞ何でも遠慮なくご相談ください。

推奨コース

法律相談コース    
この類型の案件では,どのような対応が望ましいか,十分検討する必要があります.
まずは法律相談コースをご利用ください.
Q&A相談は無料となっておりますので,一度ご利用の上,面談をご検討ください.
後方支援コース国外への子の連れ出し案件など,我が国に国際管轄のない事件でのご利用をおすすめします.
海外に管轄のある事件では,日本の弁護士には代理はできませんので,海外弁護士に依頼する必要があります.
しかし,海外弁護士に法的に意味のある事情を伝えたり,日本の法制度を説明したりするためには,日本の弁護士のサポートが有用となります.
必要に応じて外務省の援助を受ける必要もあり,そのための助言もさせていただきます.
おまかせコース我が国に裁判管轄がある事件では,こちらをおすすめします.
国際離婚・ハーグ条約事件は,複雑な法律問題が関連する可能性があるため,ご自身で手続を進める後方支援コースはおすすめしておりません.
費用は月額制となっており,高額となりやすい国際案件でも費用面でご安心頂けます.

国際相続

 状況に応じ,取るべき手続等についてアドバイスさせて頂きます.

 外国弁護士との連携についてもご相談お受けします.

推奨コース

法律相談コース法律相談コースをご利用ください.
Q&A相談は無料となっておりますので,一度ご利用の上,面談をご検討ください.

その他の渉外民事

在留資格(ビザ)

 外国人の方が日本に適法に在留するためには,在留資格(ビザ)が必要です。

 在留資格には,大きく分けて,日本で行う活動に基づいて与えられるもの(入管法別表第1)と,日本における身分や地位に基づいて与えられるもの(入管法別表第2)とがあり,この2種類についてさらに細かい分類がなされ,現在は全部で27の区分に分かれています。昨今では,入管法の改正により,頻繁に在留資格の創設や再分類が行われていますので,法改正には常に気を配る必要があります。

 また,在留資格該当性の判断基準等については,省令や告示,ガイドライン,通達等,入管法よりもさらに改正が頻繁な,多数の下位規範によって定められており,在留資格の取得,在留期間の更新,在留資格の変更等を検討する際には,これらを適切に調査し,判断する必要があります。

 なお,在留資格に関する手続きについては,事案に応じて,入管業務に精通した複数の行政書士と連携し,迅速かつきめ細かい対応をさせていただいております。

帰化

 帰化とは,その国の国籍を有しない者(外国人)からの国籍の取得を希望する旨の意思表示に対して,国家が許可を与えることによって,その国の国籍を与える制度です。

 帰化には,いわゆる普通帰化と,日本人との一定の身分関係を要件として普通帰化における要件が一部緩和された簡易帰化とがあります。いずれについても,各要件に該当することを示す資料を適切に示す必要があり,求められる資料はかなり膨大です。弊所では,在留資格に関する手続きと同様,事案に応じて,帰化申請業務に精通した複数の行政書士と連携し,迅速かつきめ細かい対応をさせていただいております。

難民認定

 難民とは,難民の地位に関する条約及び難民の地位に関する議定書(あわせて,「難民条約」と呼ばれます。)において,「人種,宗教,国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために,国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」と定義されています。日本は,難民条約の締約国であるため,難民を保護する義務を負っています。

 もっとも,日本における難民人認定者数は,諸外国に比べると極めて少数であり,また,難民として認定されるまでに相当な長期間を要する傾向にあります。したがって,難民認定申請においては,難民該当性を基礎付ける資料の準備が極めて重要であり,適宜,弁護士に相談してアドバイスを得,事案によっては弁護士の意見書を用意する等して,難民調査官に対して主張を的確に伝えるようにすると良いです。

就労問題

 在留資格を得て日本に適法に在留している外国人の方の中には,その在留資格に応じて,就労が許される方と,許されない方がいらっしゃいます。就労することが許されていない,「留学」や「家族滞在」等の在留資格の方が就労を希望する場合は,就労可能な在留資格への変更を検討するか,資格外活動許可を得る必要があります。また,就労が許される在留資格の方も,日本における身分や地位に基づいて与えられる在留資格(入管法別表第2)を有している場合でない限り,それぞれの在留資格で従事できる業務範囲は限られています。

 許可を受けることなく資格外活動を行った場合,不法就労罪として刑事罰を受ける可能性や,退去強制処分を受ける可能性があります。また,不法就労者を雇った事業主も,不法就労助長罪として刑事罰を受ける可能性があります。昨今,不法就労に関しては厳罰化の傾向があり,不法就労者本人のみならず,事業主が逮捕されるケースも出てきています。外国人の方の就労にあたっては,就労する側も,雇用する側も,従事しようとしている業務が在留資格の範囲内であるか否かについて,事前にしっかり確認をする必要があります。

 なお,労働基準法,労働契約法,最低賃金法,労働安全衛生法,労働者災害補償保険法等,日本における労働者を保護するための各種の法規は,原則として,不法就労者を含むすべての日本で働く外国人に対して適用されます。外国人であることのみを理由とした賃金差別も禁止されています。就労する側も,雇用する側も,このような原則をしっかり理解した上で,国籍を理由とした不当な扱いが行われることがないよう,十分に留意すべきです。

その他

 その他,外国人の方がかかわる刑事手続,税務問題,社会保障問題,一般の民事訴訟等について,事案に応じて,行政書士,司法書士,税理士,公認会計士等と連携しながら対応させていただいております